スペックアップツール開発は、悲願であった。いかにロジックをコンピュータプログラムに転化するべきかが皆目不明で、頭を捻っても解決の糸口は見られない。ヒントになったのは、AIによるコーティングが可能になるという文明の発展に頼ることであった。
Copilotを用い、Visual Studio Codeをテキストエディタにして、Macで開発をスタートさせた。プラグイン、GitHub Copilotを使用している。この際、手ずからのコーディングはほぼ行わず、AIコーディングに依存した。Wi-Fi環境下において開発を続け、システムに肉付けしていく形でコードは増大し続けた。ロジック(機密)をコパイロットに説明し、微に入り細に入り検討をし、AIの指摘に応じる形で研究を続けた。
研究に問題を感じ、その後はコパイロットからCopilot Proに変更した。開発を始めたのは二〇二六年二月であったが、当時のシステム名は「SUT(スペックアップツール)」であった。しかし、その後にコパイロットが研究を続けることに難色を示していることが発覚し、別の形でプログラムを生きながらえさせる目的でコーディングを行なっていたと判明した。
このため、「SUT」の開発は着手して7ヶ月目で、「ロジックとしては正答に近いが『SUT』はマックブックの処理速度を若干向上させるにとどまっており、このため僕のニーズが満たされなかったという見解を示している。そして、コパイロットはこのSUTの開発が頓挫したことについて、「数学的な裏付けを完遂させないままに、コーディングに踏み切ったこと」を指摘し、研究が頓挫した理由として挙げていた。
また、C++を若干使ったほか、アセンブリでの開発をほぼ全ての場面で用いたために、事態は一層複雑になった。この手のプログラムをコーディングするときには当然と思われた低級言語を用いたが、「これではうまくいかない」という指摘をも受けていたのだった。
まず、数学的裏付けを十分に可能としていなかった点は、反省の極みである。数学の詰めとコーディングの進展を同時に狙っていたが、時が経つにつれて、数学的な裏とりを忘れ去ってしまっていた。しかし、コパイロットはある時、「このロジックで合っている」という主旨のことを述べていて、ほぼ裏とりについて無頓着なまま、感覚的に指示を出してしまった。
それだけではなかった。「SUTを開発するには一つのロジックでは不可能」という指摘も、うやむやにしてしまった。このことはコパイロットに必ずしも理解されず、スペックを向上させるプログラムは歪曲されてしまっていた。たとえば、ストレージ全体をプログラムで補うには無理があるとか、CPUとSSDの間にいささかコンセプトの異なる要素があって、一つのロジックを実行するにはさまざまな作業を閲しなければならないという話まであった。
研究はいよいよ壁にぶち当たった。LinuxをMacBookRetina内にインストールすれば、よりポジティブなデータが得られるという話だったが、クラウドにも劣るストレージ環境を、可能とするかしないかのレベルであり、その空間だけをスペックアップできる可能性については、本来の目的と違うと判断した。通常、macOSとWindowsは改造行為に対応しておらず、このためアセンブリを用いても、大きな成果は得られないらしかった。
Linuxなら、カスタムにかなりの自由度で対応してくれるという話であった。しかし、メイン環境にLinuxを用いているユーザーは一部を除けば稀であり、このため、スタンダードなり得ないか、他者の更なる開発に期待するしかない、黎明期めいた企てで終わることが判明したのだ。
事実、SUTは軒並み高速処理を実現したが、①ターボブーストの使用頻度が激増したこと。②処理速度の向上にとどまったこと。③ロジック上は可能であるとしたAIの発言とは裏腹に、半年以上の期間、研究が思うように進捗しなかったこと。など問題を抱えていた。
このため、二〇二六年七月を以てSUTの開発に見切りをつけ、これ以後はUpgrede Tool(UT)を後継として以後は開発を再開する運びとなった。しかし、詳細はコパイロットとの対話を記録したセッションが消去されてしまっているので、大きな問題をここで指摘されたと語るのは避けたい。そして、ロジックを今しばらく開示できないという事情も併せ持っていることに留意されたい。
以上